書類を電子化するメリットとは?電子化する方法や意識するポイントを解説
2024年12月2日
書類を電子化することで、紙媒体では利用価値がなかった情報を価値のある情報にできます。そのため現代のビジネス環境においては、多くの企業がすでに書類の電子化・ペーパーレス化に取り組んでおり、その重要性は変わりません。しかし、さまざまな事情により書類を電子化できていない企業も少なくありません。
そこで本記事では、書類電子化のメリットや具体的な方法、意識すべきポイントについて詳しく解説します。
書類の電子化とは

書類の電子化とは、紙媒体で存在する書類や資料をデジタルデータに変換し、PCやスマートフォンなどで管理・活用できるようにするプロセスを指します。具体的には、紙の書類をスキャンしてPDFファイルに変換したり、紙媒体の書類でやり取りしていたプロセス自体を電子化したりすることです。この電子化によって、物理的な制約から解放され、多岐にわたるメリットが期待できます。
書類を電子化するメリット

書類の電子化には、業務効率の向上からコスト削減、働き方改革の推進まで、多様なメリットがあります。以下では、主要な4つのメリットについて詳しく解説します。
業務効率化を実現できる
書類の電子化を行うことで業務効率を向上できます。まず、キーワード検索機能により、必要な情報へのアクセスが格段に向上します。紙の書類では一から探さなければならない情報も、電子化すれば瞬時に見つけることができます。
さらに、スマートフォンやタブレットなどで場所や時間を選ばず情報を確認できます。つまり、テレワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方も実現できるようになります。
また、複数の部署や拠点間でリアルタイムに情報共有ができるようになり、意思決定のスピードアップにもつながります。
このように書類の電子化は従来のアナログな方法に比べて、業務効率の大幅な向上が期待できます。
コスト削減を実現できる
紙の書類管理には、印刷費用や保管コストなど、多くの経費がかかっています。例えば、A4用紙1枚あたりのモノクロ印刷だけでも3.8円から6.5円のコストが発生します。これを従業員100人規模の企業で考えると、1人が1日1枚印刷するだけで、年間約14万円もの経費となってしまいます。
この紙の消費を電子化によって代替することで、印刷代や保管費などのコスト削減につながり、その費用を他のビジネスや人件費などに割り当てられます。
省スペースにつながる
オフィスにおける書類の物理的な保管スペースは、企業にとって大きな課題となっています。紙の書類管理の場合、書類を管理するキャビネットは場所を取るだけでなく、増え続ける書類とともにそのスペースは年々拡大していく一方です。
書類の電子化により、これまでの保管場所を会議室や休憩エリアとして活用し、さらにはオフィスの省スペース化による賃料削減につながることも期待できます。
セキュリティ対策につながる
紙の書類管理には常にリスクが伴います。社員の不注意による紛失や盗難はもちろん、火災や自然災害により重要書類が損壊してしまう可能性も避けられません。一度失われた書類の再作成には、多大な時間と労力が必要となります。
これに対し、電子化された書類では、クラウドでのバックアップやアクセス権限の細かな設定が可能です。さらに、暗号化などの高度なセキュリティ対策により、重要な情報を確実に保護することができます。
書類の電子化ユースケース
現代社会では多くの業界でデジタル化が進んでいますが、紙ベースの業務が主流の分野も少なくありません。総務省が2021年に実施した調査※1によると、情報通信業を除いて、多くの業種でデジタル化の進展が遅れていることが明らかになりました。
では、実際に書類を電子化することで、どのように業務が改善されるのでしょうか。ここでは設備保全部門における電子化ユースケースを紹介します。
- 現場確認の効率化
電子化された写真データや3Dモデルを活用することで、従来の紙の図面では把握しづらかった現場の状態を正確に確認できます。現地調査の時間を大幅に削減することが期待できます。 - 点検業務の品質向上
点検チェックリストを電子化することで、その場で写真撮影や音声メモを記録できます。紙の記録と比べてより正確で詳細な点検記録が残せるため、点検業務の品質向上につながります。 - 保守履歴の活用
設備の修理・メンテナンス履歴などを電子化して蓄積することで、過去の対応事例を即座に参照できます。類似トラブルへの対応時間を短縮し、予防保全にも活用可能です。
このように、書類の電子化は業務効率化や品質向上に大きく貢献します。
特に後述する統合ワークプレイス管理システムを活用することで、これらのメリットを最大限に引き出せるでしょう。
※1参考:デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究|総務省別ウィンドウで開く
書類を電子化する方法

書類の電子化には、主に2つの方法があります。
書類をスキャン・撮影する
既存の紙の書類を電子化する一般的な方法として、複合機のスキャニングやスマートフォンのカメラを使用してデジタル化することが挙げられます。複合機のスキャナーを使用することで、大量の書類をコピーするように短時間で電子化できます。また、最近のスマートフォンアプリには、書類を自動で認識し、適切な角度や明るさに調整する機能を備えているものもあります。
ITツールを活用する
書類作成の段階からデジタル化を前提としたワークフローを構築することで、より効率的な書類の電子化が実現します。例えば、クラウドベースの書類管理システムやさまざまな情報を統合的に管理できるITツールなどを導入することで、書類の作成から承認、保管までの一連のプロセスをデジタル上で完結させられます。
書類を電子化する際に意識するポイント
書類の電子化に取り組む際は、以下のポイントを意識しましょう。
セキュリティ対策を徹底する
電子化された書類の管理においては、セキュリティ対策が極めて重要です。NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)が調査した結果※2によると、2015年から2022年までサイバー攻撃の数は増加傾向にあり、さまざまな被害が発生しています。一度サイバー攻撃の被害にあうと情報を盗まれるだけでなく、金銭要求などにも発展する恐れがあるため、以下の基本的なセキュリティ対策を必ず実施しましょう。
- パスワード管理の徹底
ウイルスの検知や警告、感染対応などを行うセキュリティ対策ソフトを導入する
- セキュリティ対策ソフトの導入
ウイルスの検知や警告、感染対応などを行うセキュリティ対策ソフトを導入する
- 定期的なセキュリティ監査
システムの脆弱性や不正アクセスの有無を定期的にチェックする
- 従業員教育の実施
情報セキュリティに関する研修を定期的に行い、意識向上を図る
※2参考:NICTER観測レポート2022|NICT別ウィンドウで開く
情報を一元化し業務の効率化を意識する
書類の電子化は、単なるペーパーレス化を超えて、企業の業務プロセス全体を最適化します。
さらなる効率化につなげるには、電子化された情報の一元管理が必要です。従来バラバラに扱われていたデータを統合し、既存業務と結び付けることで、部門を越えたシームレスな情報連携が実現できます。意思決定の迅速化や組織全体の生産性向上が図れ、結果として企業の競争力強化につながります。
書類の電子化で業務効率化を実現できる
デジタル化の進展に伴い、多くの企業で書類の電子化が進んでいます。電子化を行うことで、業務効率化やコスト削減、セキュリティ対策につながるなどさまざまなメリットがあります。
しかしながら設備保全をメインとするビルメンテナンス業界では、紙媒体で情報を管理している企業も多く存在しているようです。
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資産管理や情報一元化の重要性については、以下をご覧ください。
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